息子3歳

あの日の日記

11月17日午前2時58分、奥さんが痛いと言って目が覚めた。これが本格的な陣痛のはじまりだった。3時から約10分刻みになったので、病院に電話した。ひとまず外来扱いで診察することになった。奥さんの実家に一報を入れた。
4時に病院に到着。内診して第1陣痛室に入った。約10分間隔の陣痛が続く。5時頃だったと思うが、飲み物とおにぎりとパンを買いにローソンに行った。少しずつ空が白み始めた。7時頃、両実家に入院したことを知らせた。奥さんは少ない朝食(クロワッサン、スープ)を全部食べた。9時過ぎに奥さんのお父さん、お母さん、恵美ちゃんがきた。お母さんを残して二人はすぐに帰った。陣痛は5分間隔ぐらい。
10時ぐらいに一旦アパートに帰って、洗濯と食事(米、豆腐)して約40分寝た。11時過ぎに病院に戻った。奥さんは痛みの合間に昼ご飯もちゃんと食べた。陣痛は辛そう。痛さと眠さで本当に辛そう。スッスッハァーをしながら寝てしまうので呼吸の開始が遅れて痛みがやわらがない。逆子じゃないけど、前後が逆で、出られない体勢。一ひねりするのを待つ。
12時間たち、15時間たち、疲労困憊。帝王切開でもイイと弱音を吐くようになった。骨盤が割れそうに痛いらしい。見ているのも辛い。診察していた看護婦さんが、子宮口も広がり、頭の毛が見えると言ったのが聞こえた。お腹の中で回転したのかも?7時半過ぎにいよいよ分娩室に入った。本学的にいきんで良いことになって、奥さんの声が高くなった。8時半、泣き声と共に彼が産まれた。3270(と聞いたが、母子手帳には3430?)グラムの男の子、彼の写真を2、3枚撮った。すぐに彼は検査を受けに、別棟の3Fにある新生児センター(NICU)に行った。そこまで一緒についていった。途中のエレベータで彼を見た。福耳でかわいい顔をしている。奥さんに似ていそう。彼が急に下がってきたから、産道が傷ついて、奥さんは1リットルのも出血したらしい。縫合するのが痛そう。彼は西5Fの小児循環器病棟に移った。そこで対面。頭が少しのびているけど、イイ顔をしている。N先生に彼の状態の説明を受けた。予想どおりの病状だった。三尖弁閉鎖。大動脈離断。大血管転移。重症。これから大変になりそうだが、3人一緒でまけない。面会は11時と6時、両親のみ。ミトンと靴下と長肌着とおしゃぶりと哺乳瓶を明日持っていく。水谷か西松屋だ。午後11時半過ぎ、病院から帰った。へとへとになった。シャワーを浴びてカップヌードルを食べて寝た。長い1日だった。

3年経ったなんてウソみたい。今でも鮮明に覚えてる。あの日から今年の初夏まで気の休まる日は無かったけど、いい思い出になってよかった。